chapter-08

初公開
麻布大学附属動物病院研修医の現場

イメージとはまるで違う、研修医の生の声

麻布大学

きついとか、辛いとか、こうしたイメージの企業では働きたくないのが世の中の流れになってきています。
獣医の世界では、大学病院の研修医は、きつい、辛いというイメージがもたれていますが、実際のところはどうなのか、麻布大学附属動物病院で働く、もと全科研修医2人の生の声を聞くことができました。

FACT 1
大学病院の研修医は、案外、楽しくやっている

西川:横山先生と西山先生は、共に一次診療のハードワークを経験された後に研修医になられました。一般的に研修医はきつい仕事だと思われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。

横山先生:この2年間で一次診療で勤めていた時よりも肉体的にきついと思ったことはないですね。
一次診療で3年間勤めていた時の方がハードワークでした。勤務医は獣医療以外の仕事、掃除とか会計とかをする場合もあり、その他、個人的にやらなければならない雑務も多数あります。
現在、麻布大学附属動物病院では、これまでのように研修医に雑務を任せるのはよくないという考え方になってきています。
研修医は「この大学病院に勉強に来てくれている先生」という認識に変わってきていますし、給与面も含めて勤務形態も大きく改善されてきています。

西川:学生さんや勤務医さんが研修医はきついと思っているのはなぜでしょうか。

横山先生:研修医がどんな働き方をしているのかが知られていないからでしょう。 学生さんは私たちが忙しい時に手伝ってくれるので、学生さんが「きついイメージ」を持ってしまうのは、私たちの忙しく働いている姿だけしか見ていないからです。休みもちゃんと取れますが、ただ、一次診療でもあることですが、自分の任されている患者さんが入院していると気になって、休日でも病院に来てしまうのが、この獣医師という職業だと思っています。
また、夜分に治療や処置をしなければならない時もありますが、その間ずっと働いているわけではなく、実際は休息をとっていたり、外に食事に出掛けたり、家に帰る人もいます。その時だけはきちんと仕事をしてその他の時間は自由に過ごしています。
治療に関しても教授と一緒に協力して行うため、そこから学ぶ事も多いです。
学生さんたちは私たち、研修医が慌ただしく走り回っている姿しかみていないので、きつい、辛いといったイメージを持っていますが、私たちは、案外、楽しく研修をしていることを、ぜひ知ってほしいと思います。
麻布大学附属動物病院では、学会等の参加費も補助してくれますし、大学主催の勉強会には無料で参加できます。先生方が積極的に実習やセミナーを実施してくれるため、診療での研修以外にもスキルアップできる機会が多くあるのです。

西山先生:私は麻布大学の出身で、やはり、研修医はきついというイメージを持っていました。それなのに、なぜ、麻布大学附属動物病院の研修医になったのかと言えば、卒業後は勤務医で4年間勤めてきた時に、将来の開業のことを考えれば、「もっと勉強しておきたい」「一次診療では診れない症例が大学病院なら診れるのではないか」といった思いの方が強く、研修医になることにしました。

麻布大学

FACT 2
自分を獣医師という仕事のプロフェッショナルにする場が研修医である

西川:お2人共に一次診療を知った上でこの二次診療に来られているので、一次と二次との違いを十分に理解されているでしょうが、二次診療については知らない先生が多数おられます。
そこで二次診療の現場に来られてよかった点についてお聞かせください。


横山先生:私が麻布大学附属動物病院に来たのは、何か突出した専門分野を学ぶためではなくて、獣医師のプロとしてこれから生きて行くために必要とされるスキルとノウハウが得られる場であると判断したからです。
ヒトの医者では「スーパーローテート」という、色々な科を回ってジェネラリストとしての能力を身につけた上で自分がやりたい専門分野を選んで行くという制度がありますが、獣医師は大学を出ると、すぐに「ジェネラリストもどき」として外に放出されることになります。
私は一次診療で働いていて医学的根拠ではなく、病院のルールに従って診療を行う獣医療に疑問を抱き、研修医になろうと思いました。
ヒトの医師の「スーパーローテート」に当たるのが「全科研修医制度」で、すべての科を回りながら各科の専門家の指導を受けることで、真の「ジェネラリスト」としての基盤を育てられる。そしてしっかりした基盤ができるから専門分野にもスムーズに進むことができる。
私は全科研修医を2年間やってきて、これまでの自分の知識に専門の先生方からの知識、スキルを加えて、今は「画像診断、腫瘍」を専門分野として、プラス、一般外科、一般内科をやらせていただける特任教員助手になりました。全科研修医制度は、獣医師をプロにする場です。料理人の世界に例えれば、ジェネラリストもどきの師匠は「クックパッド」で、全科研修医は「各料理の鉄人クラスの先生の料理教室」のような学びの場です。

FACT 3
将来、開業医になりたいなら、全科研修医を経験すれば、しっかりとしたジェネラリストになれる

西川:大学病院の研修医では、全ての科目で一流のベースが学べるという魅力があることもあまり知られていないことだと思います。

西山先生:私も研修医になるまでは、研修医の中身については知りませんでした。
私は一次診療の現場で自分の知識、スキルではどうしようもできなかった症例があったことで、もっと学びたいと思ったのが動機でした。
開業志望でもあるので、ジェネラリストとしての基本のレベルを上げないといけないと考えて、麻布大学附属動物病院に来ました。
研修医になって気付いたことは、大学の先生方は自分の研究の他に臨床もされていて、本当に多忙を極める仕事をしながらも、その中でやりがいや楽しさを見い出しながら勤務されている点でした。自分のこれからにとって働く心構えなど、医療技術以外のことで大切なことを学ぶことが出来ていると思っています。


横山先生:将来的に開業してやりたいのならば、私は「しっかりとしたジェネラリストになるべき」と考えています。ヒトの医者は「スーパーローテート」で教育過程で独り立ちする前にジェネラリストとしての基盤ができますが、獣医師にはその制度がないため、大学病院の「全科研修医」が良い卒後の教育現場となります。
様々な専門分野を回っている間に自分の関心が高い分野を発掘することもできるでしょう。
私は全ての分野を経験した中から自分の専門性を見つけ出す方が充実した仕事ができ、適確な獣医療が提供できるのではないかと思っています。
専門性があることが病院の魅力として患者さんへのアピールポイントになると考えておられる先生が増えていますが、私は、もう1つの考え方として「どこの病院でもやっていることを、どこの病院よりもしっかりとやってくれることを患者さんは求めている」と思っているので、全科研修医での経験は、将来、自分の武器になると考えています。

西川:最後に、女性の研修医の可能性についてはどうでしょうか。

横山先生:私の同期の研修医はすべて女性でした。
女性としても「麻布大学附属動物病院の研修医に行った」という経歴はキャリアとして評価してくれるでしょうから、自分のキャリア形成として、この研修医を働き方の選択の1つに加えていただくのも一案だと思います。
ちなみに、特任教員の中でも全科研修医経験者の女性の先生はたくさんいます。 西川:本日は研修医の知られざる実態の話を伺うことができました。有難うございました。

麻布大学

麻布大学附属動物病院 平成30年度 全科研修獣医師(特任副手)の公募

募集する職種及び人数 全科研修獣医師(特任副手):8人程度
業務内容 1. 本学研修プログラム(2年制)に従い、獣医師としての資質向上及び技術の研鑽に励む(学会発表・雑誌投稿による研修成果公表の義務あり)
2. 教員指導下での診療補助、入院症例の管理
3. 動物病院で実施される学生臨床実習教育の補助
4. その他、病院管理運営の補助業務
応募条件 1. 獣医師免許を有する者
2. 平成30年10月1日から勤務できる者
諸待遇 給与月額:1年目 21~25万円、2年目 25~27万円、3年目 27万円
通勤手当、社会保険(私学共済制度)、雇用保険、労災保険、獣医師賠償
責任保険、健康診断(年1回)、放射線被曝検査
※ 2年以上勤務可能な者を優先的に採用し、契約期間は1年度ごとに更新
(通算3年を限度とした契約更新可能)
提出書類 1. 履歴書(写真貼付)
2. 既卒者:卒業証明書、獣医師免許の写し
3. 推薦書がある場合は添付可
選考方法 選考方法については、下記の連絡先までお問い合わせください
書類提出先 〒252-5201 神奈川県相模原市中央区淵野辺1-17-71
麻布大学附属動物病院 病院長 あて
応募書類封筒の表に「附属動物病院 特任副手応募書類在中」と朱書きし、簡易書留にて送付すること(持参可)
書類提出期限 書類提出期限については、下記の連絡先までお問い合わせください
問い合わせ 麻布大学附属動物病院事務室
E-mail:byouin@azabu-u.ac.jp
TEL:042-754-7111(内線2519)
(月-金、9:30-12:00/14:00-17:00、祝祭日・休診日は不通)
FAX:042-769-2418

全科研修獣医師を希望される方は応募前に診療見学していただくことをお勧めいたします(随時受け付け)。
研修内容の詳細は麻布大学附属動物病院ホームページhttp://avth.azabu-u.ac.jp/training/assistant_method.htmlをご覧ください。
※平成30年3月1日現在
(注)広募内容が変更になる場合がありますので、必ずホームページ等で確認してください。